ちょっとやってみたかったことがあるのでやってみます
「浪人卒業生インタビュー」
ーー最終進学大学を教えてください
「いわゆる、東京男子短期大学です。オタクだらけそうなので、やっていけるか心配です」
ーーひとまず、発表を見てきたわけですが、どのような雰囲気でしたか?
「発表会場はやたらと人が多かったですね。理系と文系を合わせて掲示するうえに、マスコミとか合格を祝うラグビー部とかの人たちがいて、まさにカオス状態でした。自分の学部の掲示に行くまでに一苦労でした」
ーー自分の番号を見た瞬間の感想は
「この手の質問には、『受かっているとわかっていたので、特に驚きも喜びもしませんでした』と答えることにしてます」
ーー妙な自信ですね…(笑)実際の所はどうなんですか?
「何度も書いてる自信過剰効果のおかげで、実際にあまり落ちることに対して不安はなかったんですが、これを下手にみんなに言うと本当に嫌な奴になるので控えてるんです。でも今まで結構大きな口を利いて来たので、それで落ちてたら友人とか親に合わせる顔がないな…という心配はありました。あとは、何に対するものかはわかりませんが、漠然とした不安とか心配で緊張はしましたね。まあ何より周りに人がいすぎてウザかったです(笑)」
ーーなるほど。では、合格した直後にまず何をしましたか?
「受験番号は流石に一回の確認だと不安なのでデジカメに撮っておいたのですが、それが終わって振り向くと、なんだかごつい兄ちゃんたちが「合格ですか?」とか声を掛けてきて。『まさか……これが噂のラグビー部か………ゴクリ』なんて恐れおののいていたら、いつの間にか「マギハラくんの合格を~」って大声で言いながら胴上げされました。男4人くらいで。彼ら曰く、かなり宙を舞っていたらしいです(笑)」
ーーもしかしたら写真に撮られてるんじゃないですか?
「だと良いですけどね(笑)。どこかで見つけたら自慢します」
ーーでは合格報告はその後ということですね
「そうですね。まず親に軽いテンションで報告しました。親の方が驚いてたっぽいです。そのときになってようやく合格した実感が少しは湧いてきましたかね」
ーーそれでは、受験全体を振り返って、辛いこともいろいろあったと思いますが、中でも一番大変だった、辛かった事はなんでしょうか
「一番は…二月に入ってからの他人の心配ですかね。いつも一緒に勉強している人がいたのですが、その子はそれなりにできる人なんですがテストになると力が出し切れなくて。センターで大きく点を落としてしまったり、A判定を出し続けてた大学で落ちたり、見ているこっちまで悲しくなってきて。自分がなんとかできる話ではないのですが、それでも何とかして第一志望には合格してもらいたいと思って、今日の合格発表まで心配しっぱなしでした。結局今日の発表で国立は落ちてたんですが、国立試験が終わった直後の顔を見て、良くやったなとは思いました。それで少しは満足です。もちろん受かって欲しかったですが。あ、これは大変だった話です」
ーーじゃあ辛かったことは?
「辛かったのは試験の一日目ですね。国語は無難に終わらせられたんですが、二科目目の数学が難しくて、いつもの模試なら二完、少なくとも一完はしているはずの自分がまだ一完もしないまま残り時間が三分の一くらいになって、頭が真っ白になって何も考えられなくなりました。上で話した子に、パニックになったらこうしろ、なんて事を予め言っておいたのですが、結局そんなこと無意味でした(笑)あのときは死ぬかと思いましたね」
ーーそれで、残り時間で立て直したんですか?
「どうしようもなくなったので、試験監督を呼んでトイレに行かせてもらい、『何緊張してんだよ。今までちゃんと勉強してきたんだから、自分ができないなら他の奴にできるはず無いだろ』と言い聞かせてちょっと自信を取り戻しました。結局それ以降しっかり考えても答案は進みませんでしたが、今こうして合格しているのでそれなりに点は入っているのでしょう」
ーーうーん、あっさりと言いますが、試験会場なら窒息ものですね…。受かっているから良いものの
「辛かったです。それで、家に帰ってからうっかり○ちゃんねるを見たら解答速報が出回ってて、完璧だと思ってた古文と漢文で痛いミスをしてしまったことに気づかされ、死にそうになりました。数学で一完もできなかった事実もあるので、その日の夕食は喉を通らず、寝込むように9時くらいに寝ました。確か夕飯はカレーだった気がします(笑)」
ーーカレーがかわいそうですね(笑)。苦労ばっかりの一日目ですが、そんなに落ち込んで二日目は平気だったのですか?
「普通だったら死んでましたね…でも僕は天才なので…嘘です、ごめんなさい。実はその日の朝は本当に辛くて、誰でも良いから辛さを共有して打ち消してくれる人が欲しかったんです。でも気づいてみたら、それまで他人の心配ばっかりして自分の心配はしなかったせいで、いざというときに人に頼れなくなってたんですね。予備校の友達は当てにならない、と言ったら悪いですが、今の要求に応えるような存在でないと思ったし、親も然りです。結局ひとりぼっちで死にそうに出かける直前に、だれか浪人組で苦しんでる奴が日記でも書いてないかと思ってmixiを見たんですよ。そうしたら本当に短い日記で一言、多分僕に宛てられてるような内容で一言、応援する形で一言、誰かの日記が更新されてまして。…いやあ泣きましたね。多分浪人して二番目くらいに。感動するってこういう事なんだなーって思いました。それを見てからはもう百人力というか…(笑)二日目も力を出し切れた気がします。それまでの自分の努力とか誰かの応援なんかとは比べものにならないほどの威力でした。合格はあの日記のおかげだと言っても過言じゃない気がします。今でも本当に感謝してます。」
ーーいい話ですね…こちらも涙が……とまあそんなことは置いておいて、受験生活で一番嬉しかったことを聞こうと思ったのですが…上で出ちゃってますかね
「そうですね(笑)。でも、一番喜んだのは別にあります。第二回の駿台模試でA判定を取ったときです。それまでの模試では数学で信じられないミスを繰り返して、偏差値が40台だったせいでC判定止まりだったのですが、そこではようやくまともに戦えて、さらに成績という結果で現れてくれたので本当に嬉しかったです。それまでの勉強が無駄になってないことが証明されたわけですから。実際の所、合格発表より嬉しかったのを覚えています。家で飛び跳ねましたからね。」
ーーやはり一年間勉強して、実力の伸びは感じますか?
「感じますね。特に、本番こそできませんでしたが数学が一番伸びた気がします。次は物理ですかね。今年一年で解いた数学の量は相当だったし、去年なら絶対にできなかった事ができるようになった実感はあります。物理は苑田先生の授業を受けたのが大きかったですね。最終的には彼の言う「アホみたいに簡単」という意味がわかってきた気がします。彼からは物理だけに留まらず、勉強そのもののとらえ方についても授業の中で少しですが教わったとおもいます。それだけでも十分のものでした。人にものを教えると言うことも悪くないように思えてきました」
ーーその結果が、受けた大学は全て合格という、いわゆる全焼、いやいや全勝になっているということですね
「そう…なんですかね。全勝だという事は親に合格を報告したときに言われて思い出しました。ただ受からない大学は受験しませんから、受験校選びが妥当だったと言うことに尽きますね。別にすごいことではないと思います。ただ、WSDと国立の方は本当にぎりぎりだった感覚があります。私立はわかりませんが、国立は4月に得点開示があるので、そこでわかるはずです。」
ーーではそろそろ、時間も遅くなってきたのでまとめに入りたいと思います。この一年を通して、どんなことを考えながら勉強していましたか?
「うーん、秋まではただ授業の予習復習に追いついていくことだけを考えていましたね。かなり大変だったので、あそこで力が付いた気がします。冬から後、正確にはA判定を取ってからは後ろ盾ができたので、自分が受からないなら誰も受からない、と自己洗脳を始めて、自信ばかりを付けていました。今考えると、もし落ちていたら相当な自己不信に陥りかねない危険な方法です。」
ーー最後に、この一年の感想を手短にお願いします
「勉強自体はかなり辛いこともありましたが、それなりに楽しみながらやっていた気がします。一年続けられたのは自分が成長していくのを確かめるのが楽しかったからでしょうかね。高校を卒業したての自分からは、考え方もかなり変わったし、精神的にかなり成長したと思います。高校の範囲の勉強なら、それに対する心がけが身についたような気もするし、やることをやる、ということの必要性も実感しました。しかしやらなきゃいけない事をやる力はあまり付いてない気がするのですが…。まあ、結果は良い方に出て良かったのですが、駿台でAを取った時点でほとんど目標は達成していましたね。自分がどこまでできるのか試してみたい。それを他人にも認めてもらいたい、その結果がが形で残ったので満足なのです。一年間、もちろん改善できた点はあると思いますが、自分としては完璧というものは無理なわけで、それなりに有意義な生活と勉強はできたと思っています。ありがとうございました」
以上、マギハラユースケとその守護霊による対話。